田村さんプロフ写真


田村篤史

立命館大学在学中、APUへ交換留学、NPO出資のカフェ経営に携わる。その後休学しPRや企画を行うベンチャーにて経験を積み、卒業後は海外放浪の末、東京の人材系企業に就職、2012年4月に退職。京都へUターンし会社員とフリーランスの間のような働き方で、様々な組織やプロジェクトに関わる。CDA(キャリアデベロップメントアドイバザー)所得。京都移住計画代表。Tunagum.共同代表。著書に『京都移住計画』(コトコト)。

―筒井さんからのメッセージを受けて。

「照れますね(笑)。筒井さんが京都精華大学でされているキャリアデザインという授業に外部講師として関わらせていただいているのですが、いつも筒井さんの研究室で色々なことを話しています。話すトピックは、『今の大学生』について。僕が学生時代の話、筒井さんが学生だったときの話、当時の京都がどうだったかとかね。大学教育がどう変遷して今のようになっているとか、教育論的な話をします。僕は自分の生きてきた時代の感覚で話しつつ、筒井さんは自分の原体験と、大人になるプロセスでも学生をずっと見続けているから、その変化を一緒に追体験できるのが面白いなぁと思います。だから、僕は筒井さんの研究室にいてすごく楽しいです。そんな話がフラットにできる関係性の年長者の方って、そんなたくさん居ないので」

『ここで働けたら最高だな』とピンときた

田村さん2

「2010年、僕は東京で働きながら『京都に戻ろう』と考えていて、京都の面白い場所や人の情報を集めていたんです。そのときにコワーキングやシェアオフィスを探していて。京都リサーチパーク株式会社が運営しているKRP町家スタジオのHPを偶然見つけた。その瞬間、『ここで働けたら最高だな』ってピンときたんですよね。当時、僕がやっていたことを持ち込んだら何か面白いことができそうだと思いました。他にも色々と探してみましたが、今までの経験や京都に戻ってやりたいこと、すべてのことを掛け算できそうなところがここだった。」

田村さん3
昭和初期に建てられた町家。二階はシェアオフィス、一階はレンタルスペースになっており、トークイベントや起業セミナーなど様々な催しが実施されている。

「東京で将来やりたいことを知人に話していたときに、『ようわからんけど、同じようなことをやっている人間がいるから、とりあえず会ったら?』と言って紹介してもらったのが、町家スタジオの現館長の田中だったんです。彼から『町家で働く』と聞いたときは、正直、驚きました…町家で働きたかったのに働けなくなった(笑)。でも同時に、示し合わせたように自分がやりたかったことをやるという人間が僕の目の前にいるっていうのは有り難い話で。彼と一緒にできることはあるだろうし、彼と繋がったことで京都の面白い人や場と繋がることができるという安心材料があったので、京都に戻って来られたというのもあります。彼とはカフェの経営をやっていたり、シェアハウスに住んでいた経験があったりとバックボーンが似ていて。場をつくることに感度が立っていたので、何か一緒にできないかと思っていました」

後に予定を入れないで来た方が町家スタジオを楽しめます

田村さん4
写真は、2013年7月に町家スタジオで行われた展示の様子。アジア諸国で展示会などを展開する京都の「高蔵染」の代表・大下倉氏の指導のもと、京都造形芸術大学の学生たちが絞りやぼかしなど様々な技法により仕上げたTシャツの展示会。

「現在、町家スタジオでは、毎週水、木曜日を基本とした町家オープンデイ(無料開放日)という企画が実施されています。この企画は、町家をワークスペースとして利用していただくことを目的としており、僕はその担当者として町家に常駐しつつ、イベントの企画立案を任されています。本来、各自がそれぞれの仕事をするというのが理想的なんですが、今はどちらかというと相談に来る人が…最近は、お陰様で引っ切り無しに来ていただいています。数でいうと1日に平均4~5人で、多いときに10名以上の方が来ますね。有り難い話で、僕がいるからという理由で来てくださる方もおられます。『場をつくることに興味がある』とか、『新しいサービスを考えてます』とか……“何かを始めようとしている人たち”が集ってきています。面白いのは、僕を訪問してきた相手と田中がアポイントした相手が知り合いだったり、初対面同士で意気投合し勝手に盛り上がっていたりと、町家スタジオという場所を通して出会いがひろがっていきます。ここで出会った人たちが何かを生み出したそのはじまりの発端がここであるということが嬉しいですね。だから、そのあとに予定がない人が滞在する時間は異常に長い(笑)。どんどん人が来て、どんどん紹介するから(笑)。後に予定を入れない方が町家スタジオは楽しめると思います」

自分が知らない世界を知りたい

田村さん5
オープンデイの時に、ワーキングスペースで働く田村さん。この日も向かいに館長がいて、町家スタジオを訪れた人の挨拶から会話が始まりました。

「そうやってここに相談事に来てくださる方と話をするときに心掛けていることは、当たり前のことかもしれないですけど『ちゃんと聴く』こと。事柄をなぞらえて聞くのではなく、『なんでそれをしたいと思ってるの?』と事柄の背景を聴くことがすごく大事だと思っていて、そこに触れるようなコミュニケーションをとりたいなと思っています。悩んでいる人の相談に乗りたい、助けたいということがしたいというと、そうでもなくて。じゃあ何でしているかというと、まずひとつは好奇心。自分自身が知らない世界を知りたかったり、知らないことをもっと聞いてみたい。その人が描こうとしている世界があったときに、それが実現できたら僕も垣間見ることができるじゃないですか。それがすごくいいなって。あとは、その人と関わったら、僕が何かしたいと思ったときに助けてくれるんじゃね?というのはありますね。『あれ出来るでしょ? 力貸してよ!』って(笑)」

誰かと出会って何かを始める場所

田村さん6

「僕にとっての町家スタジオは、誰かと出会って何かを始める場所。僕個人の意見ですが、これからの町家スタジオは『人が集う人』に来て欲しい。ある程度の時間をここで過ごして、僕や田中がしていたようなことをその人もしてくれると、ここで生まれる価値が掛け算でもっともっと増えていくと思います」

―年間120人もの人と町家スタジオで出会っている田村さん。その中から、とっておきのお友達を紹介してください。

「今年の5月頃に出会った大西まきさん。ここでのイベントがきっかけで滋賀県に米づくりをしに行っているんですけど、それにまきまき(※まきさんの愛称)も加わってくれて。滋賀県までの道のりが長いので、車の中でまきまきと色んな話をしたのを覚えています。取り組んでいる事柄じゃなくて、『こういう風に生きていきたい』とあんなにも素直に言えて生きている人って僕はあんまり出会ったことがない。まきまきは喋るのが苦手と言っているけど、本当はとても上手。話を聴きたいなってすごく思える人です」

 

京都リサーチパーク 町家スタジオ


住所:京都市上京区福大明神町128
開館時間:10:00〜17:00
休館日:土日・祝

※見学や訪問、利用をご検討の際は、下記URLよりお問合せください。
URL:http://www.krp.co.jp/machiya/

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川上 ひろこ

川上 ひろこナポリタン編集長 / ライター

投稿者プロフィール

1992年大阪府摂津市生まれ。京都精華大学在籍。2012年春に同大学を休学し、栃木県益子で環境問題を扱うNPOの元で2ヶ月のあいだ環境保全活動をする。同年夏より、ご縁がありフリーライターとして東京の広告代理店の編集業務を取り扱う部署に常駐。憧れていた雑誌やネットニュースの原稿執筆をする。2014年春より復学し、現在は京都市左京区の「恵文社」から自転車で7分の距離にある家でシェアハウス中。好きな食べ物はチョコミントとパクチー。「ナポリタン」を京都愛あふれるウェブサイトにするため、今日もママチャリに乗ってネタ探し。

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